2017冬vol.43
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“旅びと”が目に留めた景色や場所、もの、人に注目するコラム。今回は、最近ブームの兆しを見せる「ボードゲーム」にフォーカス。  今の時代、「ゲーム」と聞くと、テレ    的。最近では、ビやスマートフォンでプレイする様子を連想する人がほとんどかもしれない。そんな中、最近じわじわと人気が広がっているのが「ボードゲーム」だ。多くの人は子供の頃、すごろくに親しんだことがあるだろう。しかし、近年では子供たちだけでなく、大人の間でも趣味の一つとしてプレイする人が増えてきている。ボードゲームとは、ボード(盤)を囲んで行われるゲームを指し、日本では先に挙げたすごろくをはじめ、囲碁、将棋などが一般最年少プロ棋士・藤井四段の誕生で将棋界が盛り上がりを見せ、町の将棋教室に人が溢れるといったニュースも話題になった。将棋も含め、大体のボードゲームには勝ち負けがある。勝利には、思考を巡らせ戦略を立てるという行為が必要不可欠だ。また、人と人とが対面して行うボードゲームは、プレイヤー同士の関わり合いが必須になり、そこには必ずコミュニケーションが生まれる。そのため、幼いうちから相手と関わることで、子供への知育になるとも言われている。ただ単に遊んで楽しいだけではないからこそ、幅広い世代からの注目度が高まっているのだ。一口にボードゲームと言っても、その種類はとても豊富。囲碁や将棋に代表される1対1で戦うものや、カードや駒、疑似通貨を利用し大人数で楽しむものがある。プレイ時間もそれぞれで、30分~1時間ほどかけて行うものから、数分で決着がつくゲームも。日本でもここ数年、様々な種類のボードゲームを楽しめる「ボードゲームカフェ」が増えてきた。2011年、東京・渋谷にオープンした「JELLYJELLYCAFE500種類以上のボードゲームを取り揃えており、週末には行列ができるほど人気だ。また、2016年には同系列店を福岡・天神にオープンし、その浸透ぶりを感じさせる。店内には、昔から愛され続けているゲームはもちろん、近年新しく作られたゲームもあり、プレイ人口の多さを窺わせる。スタッフがおすすめのゲームや楽しみ方を教えてくれるので、初心者にも優しい。こうしたファンが数多く集まるカフェが全国各地に相次いで出店してい渋谷店」は、ることも、ゲームの広い普及に一役買っている。ボードゲームはプレイしたいと思った時に対戦相手を探す必要があるが、専門カフェに行けば、いくつものゲームとそれを楽しむ人たちがそこにいる。知らない人と交流するのは敷居が高そうだが、一緒にプレイするので、コミュニケーションを取るのもさほど難しいことではないという。また、単純なシステムを理解するだけで楽しめるものも多いので、老若男女を問わず遊べるのも嬉しい。初対面の相手と仲良くなるために、オリエンテーションで取り入れるのも良いかもしれない。大人数で遊ぶパーティーゲームとしてだけでなく、世代を越えたコミュニケーションツールとしても利用されるなど、様々な場面で楽しめるボードゲーム。この冬は暖かい屋内で、机上の異世界を楽しむのもいいだろう。奥深きボードゲームの世界ファンが集まる専門カフェ旅びとよ的ゲームの魅力09

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