2017冬vol.43
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国といえば、何を思い浮かべるだろうか。坂本龍馬のゆかりの地である高知県や、“うどん県”とも呼ばれる香川県、みかんの生産地として知られる愛媛県、夏は阿波踊りで大いに盛り上がる徳島県。一つの島の中に存在するとはいえ、それぞれ歴史的に影響を受けた場所は異なり、瀬戸内海側と太平洋側では気候も大きく違う。四県四様の特色があるため、一括りにするには惜しい。しかし、四県が共通して持つものもある。それは、山や海といった、この地に根付く豊かな自然だ。四県とも海に面しており、なかでも中核となる大きな都市は海に隣していることが多い。きっと、四国は海と共に時代を歩んできたのだろう。また、四国八十八ヶ所のお遍路でも有名だ。徳島県の霊山寺から始めることが多いというお遍路は、文化庁の日本遺産にも指定された伝統ある巡礼文化。四国山地の雄大さに触れながら、寺社を参拝して回る経験は何物にも代えがたい。そうした地域の自然環境と大きく結びついた観光スポットが四国には数多く存在する。高知県にある四国最長の清流・四し万十川では、年間を通して屋形船から山々と川の流れが織り成す美しい景色を望むことができる。その後、獲れたての海と川の幸を味わえるのが嬉しい。まんとがわ  四歴史や食文化で注目を集めることが多い四国だが、訪れてみるとその自然の美しさに感動を覚える。今までに体感したことのないような非日常的な体験ができる、四国の新しい一面を紹介したい。0404特集まだ見ぬ四国を巡る

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