2018春_vol44
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年の冬は寒くて、そして熱かった。日本各地を襲った寒波は、各地で記録的大雪や強風、厳しい寒さをもたらした。そんな寒さ厳しい2018年の冬にあって熱気に沸いたのは、平昌オリンピックであることは言うまでもない。自称真央ちゃんフリークのワタクシにとって、真央ちゃん不在のオリンピックには開催前から今一つ興味を持てずにいたが、始まってみれば連日テレビで日本選手の活躍振りが目耳に入ってくる。結果、例年にもれず暇さえあれば競技中継にチャンネルを合わせる日々となった。中でも、これまで興味を強く持つことのなかった女子カーリング。ご存知、氷のコースを約20㎏のストーンを滑らせ、サークル内で点を取りあうというもの。専用のブラシでストーンの速度や距離をコントロールするスウィープする姿も、スポーツに似つかわしくないユニークさもあって、ついつい見入ってしまった。ところで、ルールもよくわかっていなかったカーリングではあったが、解説を聞きながら見ていると、繊細な技術もさることながら、その戦術がものをいうスポーツ、実に奥の深  今 い競技であることが分かってくる。そんな中で、常に聞こえてくる可愛らしい4人の日本の女子選手たちの戦略を相談する会話が、なんだかとても良い。一つの戦術がものをいう場面においても、実に明るく、ほどよい抜け感のある、まるで女子トークのような楽し気な口調なのだ。仲間の主張にも協調的で前向き。信頼と親愛に満ち溢れたチームなのだと、ほわっとした気分になり、いつの間にかその女子トークを楽しんでいた。もちろん、勝敗のつく競技であり、日本代表に選ばれての出場なのだから、過酷なトレーニングを積み、国の威信をかけて真剣に競技しているはずであるが、激寒の屋外で死闘を繰り広げる冬季競技の中にあって、ほのぼのとした気持ちでじっくり観戦できるというのもカーリングの魅力なのだと思う。大好きなフィギュアスケートは、体に力が入り、観ている方も緊張感に襲われ、決して呑気に観ることなどできなかったのだから。2020年はいよいよ東京オリンピック。興奮と感動もその醍醐味だけれど、ほのぼのとした幸福感のある競技を、また観たいのである。夜更けのRecollectionカーリング女子コラム17文:晴日20旅びとよ

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