2019春_vol48
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―本日はよろしくお願いします!早速ですが有森さんは現在、どんなお仕事を中心に活動されているのですか?講演やマラソンイベントのゲストランなんですよ」と仰っていましたね。はい、メンタルです!日常もそうじゃないですか?できないと思ったらできないし、結局人間はイメージ。自分が思い描いたうえで体の細胞が動くわけで。だから要は本人次第なんです。今は何かとパワハラだとか、いろんなことを言われてしまうんですが、私は厳しくても思ったことを言い続けたいと思います。―有森さんはアスリート目線というよりも、常に物事を俯瞰して見ていらっしゃる印象があります。それは選手が「アスリート」という人間でなく、「社会人」だからなんです。選手は生きていくための手段として走っている。勘違いしてはいけないのが、ピラミッドの頂点はオリンピックではなく、あくまでも社会で生きていく人間なんです。社会全体がどう豊かに、心身共健全に生きていけるか。そのための手段としてアートやミュージック、スポーツがあって、その最たる大会がオリンピックなんです。ナー等を中心に活動していますが、私が理事長を務める「スペシャルオリンピックス日本(SON) ※1」が、2020年2月に「第7回スペシャルオリンピックス日本冬季ナショナルゲーム・北海道」の開催が決まりましたので、今年は大会のPR活動なども忙しくなると思います。―マラソンイベントなどでも元気いっぱいの有森さんですが、精力的にさまざまな活動をされるモチベーションはどこからくるのでしょう?基本は周りからもらうモチベーションですね。周りが元気になることで自分も元気になる。自らが持ち得ているというより、人につくり出してもらう機会があるということが大事だと思います。―長く辛い印象のあるマラソンというスポーツで、結果を残してこられた有森さんは尊敬の一言に尽きます。大丈夫、誰でもできます。行きたいところまで行けばいいんです(笑)。まずはあそこまで行ってみよう、がその先へ延びる。それで何が起きるかというと、自分が気付かなかったものを見つけるんです。そして最後まで行ってみる。これがマラソンで言うゴールですね。よくみんな「途中でやめる」とか言うんですけど、周りが進んでいる中で立ち止まるのは勇気のいること。人生と一緒で、案外途中でやめられないものなんですよ(笑)。―先頃の大阪国際女子マラソンで、解説の有森さんが「マラソンはメンタル今回は元マラソンランナーでバルセロナ、アトランタオリンピックのメダリスト、有森裕子さんにインタビュー。現在の活動からプライベートまで、さまざまなお話を伺いました。2020年を間近に控え、有森さんの“今”の思いに迫ります。●スポーツの意義▲ 長野県の安曇野市スポーツ大使を務める有森さん。大会ゲストとしてランナーを激励している様子。元マラソンランナーvol.14有森 裕子10スポーツが社会で生み出すものそれこそがレガシー

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